かつてない大規模な制度変更が予定されていた2021 (令和3) 年度入試に際し,東北大学では2018 (平成30) 年度中に2度に渡って「予告」を公表した.意思決定に際し,前年度末に実施した高校調査の結果が結論を導くための貴重な根拠資料となった.それを受け,2022 (令和4) 年度入試の参考とするため,改めて東北大学の基本方針に関する意見について調査を行った.本稿では主としてその結果の概要について報告する.特に文部科学省が導入延期を決めた英語民間試験については,2回の調査結果を比較してこの間の意見の異同を確認した.分析結果によると,高等学校側は東北大学の基本方針を強く支持していた.大学入試に関わる個別大学の権限と責任について,一石を投ずる結果となった.