日本テスト学会誌
Online ISSN : 2433-7447
Print ISSN : 1880-9618
論文
名義カテゴリモデルによる多枝多答式項目を含むテストデータの分析
大久保 智哉荘島 宏二郎石塚 智一
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 4 巻 1 号 p. 125-133

詳細
抄録

本研究では多枝多答式項目を含むテストを名義カテゴリモデルによって分析した.その結果,各項目ごと各選択枝の選ばれやすさが潜在特性値の関数として表現された.そこから,項目のいくつかには「魅力的な誤答となる選択枝」があることが確認された.また,誤答分析や多枝選択式項目の分析において有用であるとされている名義カテゴリモデルが,複数の正答パタンを持つような多枝多答式項目についても有用な知見をもたらすことが確認された.さらに,多枝多答式項目を分析する際のデータのコーディング方法について検討が加えられた.その結果,名義カテゴリモデルを用いて回答パタンごとにパラメタを推定するような方法が最も情報量が大きくなることが確認された.

著者関連情報
© 2008 日本テスト学会
前の記事 次の記事
feedback
Top