2008 年 4 巻 1 号 p. 13-21
本研究では, 古典的テスト理論にもとづいた反復測定デザインにおいて事後予測分布を用いて測定デザイン(サンプルサイズと測定回数)を決定する方法を提案した。 事後予測分布からデータのサンプリングを繰り返すことで, 被験者の真値の信頼区間幅の平均を一定の基準以下に一定の確率以上で抑えるための測定デザインを決定することができる。 この方法は, 事前情報の不確実性を考慮できるだけでなく, 数値的手法を用いていることから, 初歩的なプログラミング技術さえあれば誰でも簡単に使用でき, また様々な研究場面や目的に柔軟に対応できるというメリットがある。 一方で, 数値計算にかかる時間が, 利用する計算機の性能に大きく依存することに注意する必要がある。