日本テスト学会誌
Online ISSN : 2433-7447
Print ISSN : 1880-9618
事例研究論文
共通項目デザインによる神奈川県高等学校「県下一斉英語学力テスト」の開発
-項目応答理論を用いた等化によるテストの再評価と展望-
斉田 智里柳川 浩三
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2011 年 7 巻 1 号 p. 121-132

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抄録

神奈川県では高校生対象の英語学力テストが「県下一斉英語学力テスト」として実施されている。神奈川県高等学校教科教育研究会英語部会が,難易度の異なる4種類のテストを作成し,春と秋の年2回,年間8種類のテストを受検希望校に全県規模で一斉に実施している。2009年度春テストは73校43,546名が受検をした。近年の受検者減少傾向を受けて,英語部会では学力の伸びが共通尺度上で示せるようにと,抜本的なテスト改革を行うことにした。本研究では,2009年度春実施の4種類のテストを共通項目デザインで開発し,テスト実施後に項目応答理論を用いて共通尺度化を行った。異なるテスト間で比較可能となった項目パラメタ値とスコアを分析し,テストの再評価を行った。2008年度秋実施のテスト項目の一部を2009年度春テストに含めることで,2008年度秋と2009年度春の両方を受けた高校生の半年間の英語力の伸びも共通尺度上で示すことができた。大規模学力テストにおける共通尺度化の重要性と,教員作成の学力テスト改善の方向性について論じた。

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