本研究の目的は、妥当性と妥当性検証、特に「主張に基づいた妥当性アプローチ」(argument-based approach to validity) についての最近の動向をまとめ、そのアプローチを用いて英語文法診断テスト (EDiT Grammar) の解釈と使用についての妥当性の主張 (validity argument) を行うことである。EDiT Grammar は、英語の基本的な名詞句、特に名詞句の内部構造についての知識に焦点を当てたテストである。Chapelle, Enright, and Jamieson (2008a) の妥当性の枠組みにより解釈的主張 (interpretive argument) を明示した後、発話プロトコル分析とラッシュ分析を用いた2つの調査を行った。その結果、受験者のテスト受験中のプロセスがテスト細目からの予測と一致し、全てのテスト項目と受験者がラッシュモデルに適合した。2種類の肯定的な結果は「評価の推論」(evaluation inference) と「説明の推論」(explanation inference) を支持する証拠となり、妥当性の主張がなされた。