2020 年 76 巻 2 号 p. I_282-I_287
茨城県北部,常陸那珂港の北35kmに位置する高萩市赤浜海岸では,2019年10月12日に日本列島を襲った台風19号時の高波浪の作用により,海岸堤防の表のり面を防護していたのり枠式護岸が長さ120mにわたって壊れた.本研究では,台風後の2019年10月27日に被災箇所の現地調査を行い,護岸の被災状況を明らかにするとともに被災原因について調べた.この結果,護岸の被災原因は,護岸前面の砂浜が急激な侵食により消失し,これに伴って護岸の裏込め土砂が吸い出され,のり面の破壊に至ったことが分かった.