2012 年 8 巻 1 号 p. 85-100
日本の試験によく見られる大問形式の問題においては、項目反応間の局所独立性が満たされない場合がある。そこで本研究では、項目反応間の局所依存性を考慮した3タイプの項目反応モデルと局所独立性を仮定した項目反応モデル、計4タイプのモデルを大問形式の問題を含むテストに当てはめて分析を行い、特性値の推定精度に関して比較を行った。その結果、受験者数や局所依存関係にある項目の数、大問の局所依存性の程度といった要因に関わらず、推定量のバイアス・平均二乗誤差・真値と推定値との相関係数について、これら4タイプのモデル間ではその値にほとんど差は見られなかった。