視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第18回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
セッションID: P-28
会議情報

ポスター発表
盲導犬ユーザーの施設利用について
~受け入れに対する理解は進んでいるのか~
*久保 ますみ
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

2002年に身体障害者補助犬法が施行され、7年が経とうとしている。この法律は、公共的施設や公共交通機関、不特定多数の人が利用する施設等で、盲導犬や聴導犬、介助犬の同伴を拒否することを禁じたもので、2008年には一部が改正され、都道府県・政令指定都市・中核市において相談窓口が設置された他、従業員56名以上の事業所での受け入れが義務化された。
しかしながら、昨年度、当協会が受け付けた、盲導犬ユーザーや一般市民、事業者からの相談は41件あり、その半数は、盲導犬ユーザーからの施設・交通機関等での受け入れ拒否に関する相談であった。
一方、事業者からの盲導犬ユーザー受け入れに関する相談は約3割で、受け入れるためにどのような対応をしたらよいのか、といった内容が多かった。このような受け入れることを前提とした相談がある一方で、受け入れを拒否した事業者と話をすると、多くの事業者が身体障害者補助犬法を知らず、どのように受け入れたらいいのかわからないまま拒否した、というケースが多かった。ただ、わずかではあるが、身体障害者補助犬法の存在は知っていてもユーザーの利用を拒否した、という事業者もあった。
盲導犬ユーザーが、他の利用者と同じようにスムーズに施設・交通機関を利用できる社会を創るために、どのようなアプローチが必要なのかを考えてみたい。

著者関連情報
© 2009 視覚障害リハビリテーション協会
前の記事 次の記事
feedback
Top