主催: 視覚障害リハビリテーション協会
フリークライミングは視覚障害者にも適したスポーツであり,教育的利用価値があるスポーツと言える。著者らは2008年より筑波技術大学の視覚障害学生を対象とした体育集中授業として導入された「フリークライミング」の授業指導を行ってきた。ここでは視覚障害に配慮した上で,登るという身体的な技術指導のみならずパートナーシップや自己責任などに着目した心理的効果を引き出す独自のプログラムを実施した。 本研究の目的はこのプログラムの有用性を検証することである。2010年度の受講生9名(男性5名,女性4名,弱視9名)を対象に,フリークライミング(以下,クライミングと略す)の体験過程と前後での変化を調べるため自己効力感尺度,自由記述式質問紙,インタビュー,ビデオ分析を行い,総合的に考察を試みた。その結果,クライミングを活用した体育カリキュラムの有用性が示された。