主催: 視覚障害リハビリテーション協会
【背景】
視覚障害者の大学進学は、もはや社会的に特別視される事象ではなくなった。一方で、大学関係者の間では、視覚障害学生に対する学習支援の必要性への理解が進み始めている。だが、実際の学習場面では種々の問題に直面しており、とりわけ学習資料の利用では困難が多い。
【目的】
学習資料の保障に関する視覚障害学生のニーズは多様化している。そうしたニーズに大学の教職員等が対応するには、基盤となる知識が必要であるが、それを簡便に得る方法がない。今回のビデオ『視覚障害学生の入学が決まったら』は、そのような状況の改善を図る一助となるよう制作された。
【方法】
本ビデオの制作は、文部科学省の特別教育研究経費による学習資料整備プロジェクトの一事業として行われた。2009年秋に準備に着手し、出演者の選定等を含む企画は学内の制作WGが行い、シナリオの作成や撮影・編集等の実務は学外の専門家に委託して、2011年3月に完成した。
【コンテンツ】
全体で約60分の本ビデオは七つのパートからなり、すべてを一連に再生できるほか、メニューを介してパートごとにランダムに視聴することも可能である。前半の三つのパートは学習資料の保障に関する基本的な考え方、後半の四つのパートはメディア変換の実際を、視覚障害当事者や支援者が出演する映像で解説している。
【評価】
本ビデオは、学習資料の保障の推進や情報アクセスに関する理解の増進に資することを目的に、教育・福祉関係者等にDVD版で無償提供されている。この分野ではこうした映像資料がなかったこともあって、視聴者からは「具体的でわかりやすい」、「学習資料の保障を総合的に理解できる」等の一定の評価を得ている。