抄録
【目的】
視覚障害のある50代男性が精神科に2年間入院し、地域に戻ってきた。市生活福祉課、障害者福祉課とともに本人を受け入れ、各種サービスを導入して生活を支え、また通所訓練を提供してきた。退院後1年程度経過したところで、経緯を報告するとともに今後の課題について考えたい。
【背景】
武蔵野市では平成8年から視覚障害リハ専門職が配置され、手帳交付時の情報提供から視覚リハ全般を提供してきた。平成22年より所属が市から社会福祉法人武蔵野に変わり、自立支援法によるサービスと市の相談業務を行っている。所属する施設「生活リハビリサポートすばる」は中途障害者のための機能訓練、生活介護を提供、また各専門職による専門相談を行っている。
【症例】
50歳代男性。単身、生活保護受給。網膜色素変性症により両眼光覚弁。知的にはボーダーよりも若干良いレベル。統合失調症。
【退院までの経緯】
H21年3月に統合失調症を発症し入院。その後1年半ほどで病気が落ち着いたと退院を勧められる。しかしアパートは引き払っており、入所施設を検討してほしいと言われるが、本人に適した障害者施設で空きを探すことは困難。
H22年10月 市障害者福祉課が本人に面談し、精神状態は落ち着いていて、施設入所に必要な障害程度区分に達しないとのことで在宅生活も可能ではないかとの結論に至る。が本人の状態から住居探しは難航。
H23年2月 住居が決まり、3月に退院。
【退院後の状況】
長く入院していた病院は畳敷きの病室で、座っているか横になって過ごす時間が多かったため筋肉は萎縮。体力と自立度が低下している。配食サービス、訪問介護、訪問看護、訪問ごみ収集を手配。通所訓練のため体力づくり、外階段を単独で昇降できるようにすることから開始。
2ヶ月で通所開始。運動メニュー中心。訪問でも調理中心のADL訓練を行う。H24年2月現在、体力向上し、健康を取り戻す。まだ見守りが必要だが、関わる人間との信頼関係ができ、以前よりも穏やかな表情を見せている。
今回は主に退院後の関わりと本人の変化について、報告したい。