抄録
膨潤性人工フッ素雲母の微粉体から多孔質膜を形成した. 走査型電子顕微鏡及び水銀圧入法により膜の細孔構造の観測を行った. また膜の気体透過性を種々の気体に関して測定し, 細孔構造との関連で考察した. 人工フッ素雲母膜には, 70000nm, 20000nm, 300nm及び4nm以下に分布極大値を持つ4種の細孔が観測され, 気体透過特性はクヌーセン流と粘性流の中間域の式に従った. 中間域の式とHeの透過データから算出される膜の動水半径は150nmとなった. He/Ar系での気体分離性は圧力に依存し高圧下では減少した. これは気体異分子間の衝突 (Present-de Bethune効果) や粘性流の影響によるものと考えられる. 分離係数の実測値と, Present-de Bethune式による計算値は, 細孔半径80nmと仮定した場合に良い一致が見られた.