炭酸ガス排出権取引は京都議定書に基づく世界的な規模の温暖化ガス排出削減を進める際に,条件の異なる各国の間で円滑に削咸が実施されるために必要不可欠なメカニズムであり,同時にその下ではビジネスの方法を大きく変更することを求められる.このため,ビジネスマンは排出権取引制度の下でのビジネスの方法について習熟することが必要となるが,これまで開発された排出権取引シミュレーションプログラムは多額の投資をして開発された大規模なものであり,それゆえ限定された関係者でなければその実験に参加できないものとなっている.
本報告は,初学者が簡易にビジネスゲームを開発できることを意図して開発されたビジネスゲーム記述言語BMDLおよびWeb上でのビジネスゲームの実行が可能なシステムBMDSを用いて開発された,炭酸ガス排出権取引を要素として取り入れたビジネスゲーム「Geiaを守れ」の開発およびインターネット上の分散環境におけるゲーミング実験の結果に関する報告である.