2025 年 81 巻 3 号 論文ID: 24-00183
山岳地の人工構造物が少ない斜面などでは,人工衛星SARデータによるPSInSAR解析を実施しても変位を精度よく計測できる恒久散乱点は得られないが,計測したい箇所にコーナーリフレクタを設置することで精度の高い計測が可能となる.本論文では,高さが調整できるコーナーリフレクタを製作,設置した後,コーナーリフレクタに強制変位を与え,この変位をSentinel-1 SARデータを用いたPSInSAR解析による変位計測結果と比較することで変位計測精度を検証した.また,月1~2 mm程度とわずかに変位している斜面を対象に,Sentinel-1 SARデータを用いたPSInSAR解析による変位計測を実施するとともに,小規模で安価なコーナーリフレクタを設置して,人工構造物の恒久散乱点に加えて,コーナーリフレクタ設置箇所でも変位計測した事例を報告する.