本研究ではカードゲームのデザインと実践・評価を行い,そのプロセスから学習システムとしての転用可能性を検討した.カードゲームはゲームのルールとカードのコンテンツから成り立っており,それぞれを考える学習システムについて検討した.社会的課題として省エネルギー行動の普及を事例として取り上げ,カードゲームのコンテンツを考案した.カードゲームのルールとして七並べを応用し,カードを並べながらコンテンツの内容と構造を理解していくプロセスを「省エネ行動トランプ」のデザインと実践から考察した.省エネ行動トランプの評価について親子を対象としたワークショップから検討した.またゲーム実施と現実の省エネ行動との関連について大学教育での実践で検討した.さらに七並べのバリエーションを検討し,ワークショップとしてのプログラムを示した.省エネ行動のゲームのルールと学習すべき内容をデザインすること,逆にデザインされたゲームからコンテンツとルールを検討するという両方向を考察することから,この事例の学習システムとしての転用可能性を展望した.