学生相談研究
Online ISSN : 2758-0067
Print ISSN : 0914-6512
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短期大学における学生相談・支援の現状(1)
―コロナ禍の対応を含めて―
森田 裕子
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2022 年 43 巻 1 号 p. 33-44

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抄録

 短期大学は短い修学期間で、資格取得を目指す学科も多いため、授業数は多く学習スケジュールも過密になりやすい。このため早期から学生を支える相談・支援体制を整える必要があるが、課題も多いのが現状である。本研究では、短期大学の学生相談・支援の実態を把握するため、全国の短期大学309校を対象に、Webアンケートを実施した(回答率24.9%)。結果から、小規模の短期大学ならではの個別の対応や、教職員の協力を得やすいといった特徴があることが示された。一方、「対人関係」「メンタルヘルスを含む健康面」「家庭・家族関係」「学習面」「進路選択」の課題に加え、なかなか相談につながらない実態があることも示された。対応する人材が少なく小さい組織であるほど、一部の担当者に負担が生じる可能性があることも示唆された。また、2020年のコロナ禍の対応では、学生が抱える問題を把握しにくい状況も起こっていた。学生支援の充実を図るうえで、役割の明確化や専門的な人材の配置、それを組織的に有効活用できる体制を整えておくことが必要といえる。

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© 2022 日本学生相談学会
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