本邦において、大学生が性暴力被害者となる事件が問題となり、大学での被害学生に対する支援が必要とされている。本研究は性暴力被害を受けた学生の「回復」を促す支援を明らかにすることを目的とし、性暴力被害学生の対応経験がある学生相談機関の支援者10名に対し、2021年3~9月にインタビュー調査を実施した。インタビューの逐語データを①時期別、②支援を行う上で困難だったこと、③被害からの回復に有効だったことのサブデータセットに分け、計量的テキスト分析により分析を行った。被害からの回復に有効だったこととして【被害学生の心理を理解した教員の対応】【被害学生対応と加害者対応がスムーズに進む】【支援者全員で対応できる環境】【適切な支援者への紹介と連携】【支援者のアウトリーチを含む支援】【教務・学生課による支援】のカテゴリが生成された。支援者が部署内の他の支援者と話し合いや役割分担ができる良好な関係にあること、学内の教職員が被害学生を理解し支援すること、支援者が学内外の相談機関やワンストップ支援センター等の情報を被害者に提示し被害者自らが支援を選べること、が支援者にとって支援を行う上で有効であった。