抄録
本発表の目的は、エチオピア南部からケニア北部にかけて居住するオロモ系牧畜民ボラナ(Borana Oromo)の儀礼的な殺害行為の民族誌的な報告と考察を行うことである。北東アフリカ地域では敵の殺害によって男性性と豊饒性がもたらされるという観念が報告されているが、本発表では敵の殺害だけでなく儀礼的な動物殺しをも視野に入れる。そのうえで儀礼的な殺害について、殺される対象、殺しの担い手、殺すプロセスという三点に注目し、ボラナにおける儀礼的な殺害行為について民族誌的な報告を行い、男性としての主体形成のあり方について検討を加えたい。