日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
ISSN-L : 2189-7964
日本文化人類学会第50回研究大会
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日本文化人類学会第50回研究大会
死にゆく身体を描く
絵手紙に表わされた終末期患者の人格
飯田 淳子
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p. I08-

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抄録
岡山のホスピス(当時)に半年間泊まり込んで夫を看取った女性がその過程でかいた絵手紙をとりあげる。絵手紙には患者の身体が頻繁に描かれ、女性の呼びかけへの反応と彼女が解釈したことや、夫の身体の固有性が強調され、夫との記憶が再構成されている。意識をほとんど失いながらも、妻や周囲の人々が絶えず「感覚的に豊かな社会空間」を積極的につくり出していたことにより、人格と固有性を維持した患者の身体のあり方を示す。
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