ケアの実践を通して編成される社会

場所を奪われた人々が生きる場所について

抄録

移民や難民、被差別等の場所を奪われた人々は、新たな場所で、自らの生をいかに紡いでいくのか。本分科会では、ケアの実践がつくりだす関係性を考察する5つの民族誌研究を提示する。隣り合う者が提供しあう身体的接触をともなうサービスと配慮は、提供する者と受け取る者のあいだに、新たな社会関係をつくりだす。個人の独立ではなく、人間の生の相互依存性に注目し、相互依存関係が胚胎する創発的な関係について考える。