「残り鳥」と過ごす冬

内陸アラスカにおける鳥と人の刹那的な絡まりあい

抄録

本発表では、マルチスピシーズ民族誌の観点から、北方アサバスカン諸社会の一部でおこなわれてきた野鳥の一時的飼育・保護の事例を考察する。鳥と人の「絡まりあい」は、両者の事情が許すときにのみ、その都度作り出される、一冬限りの刹那的な関係である。本発表は、ハラウェイの伴侶種に関する研究を批判的に検討しながら、ドメスティケーションではない野鳥と人の関係を描写することを目指している。