異文化への関与のあり方を問う

抄録

　異文化を生きる当事者への、よそ者研究者の関与を考える。事例1は報告者が多年研究したブルキナファソ・モシ王国テンコドゴ王朝の始原伝承の、研究者には明らかな誤りを含む儀礼の実行とその結果生まれた娘による正当化。事例2はベナンに栄えたダホメー王国最後の王の王宮を報告者の指揮で六年かけて復元した結果は、ベナン政府によって報告者には不本意な形で政治的に利用された。当事者とよそ者研究者との関係のあり方を問う。