主催: 日本文化人類学会第54回研究大会
会議名: 日本文化人類学会第54回研究大会
開催地: 早稲田大学(オンライン)
開催日: 2020/05/30 - 2020/05/31
p. B10-
1960年代の北朝鮮ブームの時代、中朝国境地帯では、複数回の「短期訪問」による往来が行われたが、それが必ずしも北朝鮮への移住に繋がるとは限らなかった。寧ろ頻繁に往来を繰り返し、モノの贈与・物々交換によって生活の安定を求めていた。その中で「ポッタリチャンサ」の行商人が出現し始める。1970年代末頃、特に1978年中国の「改革開放」以降、中朝国境地帯では「ポッタリチャンサ」が盛んになってきた。当時はまだ、北朝鮮の貨幣が中国で流通しておらず、彼らの商売手法は主に「物々交換」であった。中朝国境での商品の変遷から、移動するモノの中には文化・伝統的要素の影響によるものもあったことが明らかになった。