日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
ISSN-L : 2189-7964
日本文化人類学会第54回研究大会
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個別発表(B会場)
中朝国境における「ポッタリチャンサ」の行商人と商品の変遷
*朴 歓
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キーワード: 中朝国境, 朝鮮族, 物々交換
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p. B10-

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抄録

1960年代の北朝鮮ブームの時代、中朝国境地帯では、複数回の「短期訪問」による往来が行われたが、それが必ずしも北朝鮮への移住に繋がるとは限らなかった。寧ろ頻繁に往来を繰り返し、モノの贈与・物々交換によって生活の安定を求めていた。その中で「ポッタリチャンサ」の行商人が出現し始める。1970年代末頃、特に1978年中国の「改革開放」以降、中朝国境地帯では「ポッタリチャンサ」が盛んになってきた。当時はまだ、北朝鮮の貨幣が中国で流通しておらず、彼らの商売手法は主に「物々交換」であった。中朝国境での商品の変遷から、移動するモノの中には文化・伝統的要素の影響によるものもあったことが明らかになった。

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