台湾原住民族パイワンにおけるタトゥー復興

太平洋の諸民族との交流に着目して

抄録

本発表は、台湾原住民族パイワンの彫師Cudjuy Patjidres氏を中心としたタトゥー文化の復興・創造の試みに着目する。タトゥーの手法や道具などは、イレズミの習慣が喪失しつつあった植民地時代の日本人人類学者や在住者による資料よりも、太平洋の諸民族やフィリピンなどの彫師との交流で得た情報に現在は重きをおいている。文化復興の現場において、植民地時代を克服している状況について論じたい。