抄録
「安全・安心」の社会システムは、幅広い領域での事象を対象としており、多様な知見をもって取り組まねばならない。
協創&競争サステナビリィ学会の分科会名称は「安全・安心」であるが、なぜゆえに語順は「安全」が1番手で、その次に2番手が「安心」なのだろうか。そして、「安全」のためにという「既得権」が、未来の「安心」を支える社会システムの妨げになっていないだろうか。
本稿では、それぞれの業界領域の「安全」と「安心」のしきい値を俯瞰することによって、社会課題の事例に触れつつ、「安心(Anshin)」のしきい値に係る社会システムの課題について論述する。