抄録
本稿では、日本の全国各地の水道水や井戸水等で検出され発がん性等が懸念されているPFOSやPFOAを含むPFASを事例として取り上げ、その汚染と対策状況(主に日本の現状)に関して先行研究等を踏まえ整理し、化学物質リスクに対する制度上の課題として、PFASの本質的な問題構造を見出し、その課題解決に向けて新たなアプローチ(「管理」・「規制」と「防止」・「予防」のマトリックス構造)や法的予防措置の「標準化」(予防の「標準化」と規制の「標準化」)という新たな観点も踏まえて政策的示唆と今後の可能性を示した。