抄録
これまでも,多様化した生徒の実態に対応し,生徒の個性を最大限に伸ばすためには,特色ある学校づくりを行うとともに,個に応じた教育の充実を図ることが重要であると提言されてきた.にもかかわらず,義務教育に比して後期中等教育ではインクルーシブ教育の条件整備が遅れていると言わざるを得ない.この特集では,インクルージョンにおける後期中等教育のあり方と題し,問題点や課題を整理するとともに,今後の後期中等教育のあり方を展望する.総論では,インクルーシブ教育からみた我が国における後期中等教育は,すべてに広く開かれ,多様な障害種に対応した教育制度であり,民間教育等機関により補完されている特徴を有していることを示した.後期中等教育におけるインクルーシブ教育のいっそうの推進のためには,特別支援教育の定着に関す る研究,学修のための仕組みに関する研究,社会との接続に関する研究の蓄積が必要である.