発達障害研究
Online ISSN : 2758-9048
Print ISSN : 0387-9682
発達障害者に対する職業アセスメント
MWS・TTAP を中心に
縄岡 好晴
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2020 年 42 巻 1 号 p. 13-24

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抄録

就労支援は,支援機関における職業相談,支援機関における職業前トレーニング,企業実習,就労先企業での定着支援など,それぞれの段階で対象者にかかわる人や場が変わっていく.一見してわかりづらい困難さを有することが多い発達障害者の支援を,複数の場や人の間で共有し, 系統的に進めていくためには,その根拠となるアセスメントがより重要となる.本稿では,まず現在から就労後の生活を見据え包括的に行うべきアセスメントにおける情報収集に関して,その観点と手段を整理した.次に,代表的な職業アセスメントツールとしてMWSと TTAPについて解説し,ツールを活用した支援事例を通して,その活用プロセスと支援の実際を例示した.2つのツールに共通する点として,支援開始時点のみでアセスメントを終えるのではなく,訓練場面などでも繰り返し評価を行うプロセスが組み込まれていた.また,そのプロセスが系統的な支援提供や対象者の自己理解に有効であることが考えられた.

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© 2020 日本発達障害学会
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