抄録
近年,特別支援学校教員養成課程の認可を受ける私立大学が漸増し,教育実習先確保に苦慮している大学が多く見られる.教育実習に関する実情把握とあわせ特別支援学校教員養成課程における私立大学ゆえの課題を明らかにするために調査を実施した.多くの大学が教員体制の不十分さと関連して専門性を高める難しさを挙げている.教育実習に関しては地域性もあり,特に大都市圏の認可された大学が多い地域で実習先確保の課題が顕著であった.免許制度の改正を見据え,特別支援学級での教育実習についての意見も集約したところ,特別支援学級の現状と課題が浮き彫りになった.特別支援教育の充実のために免許や実習のあり方についてはさらに検討が求められる.