抄録
最初に,障害者福祉に関する法律において「発達障害」をどのように位置づけ,サービスの対象として考えてきたのか考察する.次に,発達障害者支援法とその改正では,発達障害者(児)の支援において,どのような取組みがなされてきたのかについて考察し,今後,どのようなことに取り組む必要があるのか検討することを目的とした.障害者基本法の改正(2011 年)では,精神障害者に含まれるとしているが,この法で発達障害を明記したことは障害者福祉施策の対象として位置づけた点で重要である.発達障害者支援法(2004 年)では,発達障害に関して障害・疾患名を列記することによって,「発達障害」の定義をかなり限定的にした点に課題があるが,この法の最大の特徴は「障害の早期発見」から「就労支援」に至るまでの児童から成人期を視野に入れ
たライフステージに対応した点である.発達障害者支援法の改正(2016 年)では,家族支援を重視しペアレントトレーニングの制度化,地域における発達障害者支援体制整備事業の推進等が示された.今後,発達障害者(児)の相談および支援の拠点となる発達障害支援センターの拡充,地域における発達障害者支援地域協議会の活性化,家族支援プログラムの充実が喫緊の課題であることを指摘した.