抄録
発達障害を中心となる問題から,能力問題中心の発達障害と行動問題中心の発達障害に分ける考え方を提唱した.能力問題中心の発達障害は,二次障害がなければ,療育と特別支援教育の方法論で対応が可能な場合が多く,対応の中心は福祉と教育の場となる.行動問題中心の発達障害は,二次障害がなくても療育と特別支援教育の方法論だけでは対応が困難なことが多く,医療,心理等の関連機関が役割分担をした連携体制で支援を行うことが必要と思われる.また,青年期以降に精神問題を併発することもあることから,将来の精神問題を予防する視点,つまりは,精神保健の視点を意識した支援を行うことが重要と考えられる.能力問題中心の発達障害と行動問題中心の発達障害は,対応の方法論,目指すところが異なる部分があり,中心となる問題で発達障害を分けて考えることは,発達障害のある子どもへの対応を考える上で有用と思われる.