発達障害研究
Online ISSN : 2758-9048
Print ISSN : 0387-9682
発達障害と性同一性の課題
LGBTQ+ の状態像とその背景
館農 勝
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 45 巻 2 号 p. 103-111

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抄録
セクシュアルマイノリティ(性的少数者)への関心が高まり,LGBT という言葉を耳にする機会が増えている.同時に,ジェンダーに関する悩みを抱えた発達障害の若者も増えている.思春期における心理社会的発達課題の 1 つは自我同一性の確立である.自我同一性は周囲との相互作用を通じて形成されていくため,社会性の障害を有する自閉スペクトラム症(ASD)では,その確立過程でさまざまな揺らぎを呈することがある.近年,性別違和・性別不合と ASD の併存に関する報告が増えており,両者が併存した思春期症例への対応に関して専門家の意見をまとめたガイドラインも発表されている.そこでは,ASD を理由にジェンダーの悩みに対して適切な評価・支 援が行われないことがないよう警鐘を鳴らす一方で,慎重な対応の必要性が強調されている.本稿 では,ASD における性同一性の課題とジェンダー関連症状の背景要因について考察する.
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© 2023 日本発達障害学会
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