災害情報
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査読原稿
平成28年(2016年)熊本地震における避難所・避難者データの収集・集約・地図化の状況と課題
佐藤 良太佐野 浩彬鈴木 比奈子池田 真幸高橋 拓也田口 仁花島 誠人臼田 裕一郎
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2019 年 17 巻 2 号 p. 169-177

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抄録

2016年4月14日21時26分に発生した前震(Mw6.5)、16日1時25分に発生した本震(Mw7.3)に代表される平成28年熊本地震は、熊本県をはじめとする九州地方に甚大な被害をもたらした。この災害に対して、筆者らは、各種災害情報をGISデータとして集約し、災害対応機関のニーズに応じた地図情報の提供を行う情報共有支援を実施した。この支援の中でニーズが高かった地図情報に、避難所・避難者データがある。避難所・避難者データは、様々な機関で様々なフォーマットにより情報集約されていた。集約された情報のうち、熊本県、熊本市が集約した避難所情報、災害派遣医療チーム(DMAT)が収集し、広域災害医療情報システム(EMIS)に入力した避難所情報、国土数値情報に公表されている避難所情報について、統合処理を実施し、地図情報として提供を行った。避難所・避難者データの迅速な地図化には、避難所名称、住所、避難者数、緯度経度について、被災県の担当部署が各県に導入されている防災情報システム等を活用し、発災直後より迅速に集約・整理できるフローを確立することが望まれる。

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© 2019 日本災害情報学会
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