スマートフォンを利活用することで、防災・減災に繋がることへの期待が高まっている。
本稿では①防災系アプリの効力を確認し②防災系アプリを所持している人の特性は何かを明らかにしていく。調査の結果、スマートフォン所有者の内、32.1%が何かしら1つ以上の防災系アプリをインストールしていた。分析をすると、当初仮説として考えていた「ICT」に関わる変数との関連は低く、「防災意識」が最も関連が高い結果を得た。次に高い関係があったのは「年代」であった。その年代に注目し、再度年代ごとに分析を行うと、特徴的な結果が得られた。そもそも防災意識が低い、若年層は「避難経験」の有無が高く関係し、過去の大きな災害に関する経験の有無が関係していた。ミドル層は、性別の差異が高く、背景にはライフステージの差異がある可能性がある。また、スマートフォンの普及段階にあるシニア層では、ICTに関連する項目やイノベータ得点に関わる項目が上位となった。このような結果を見ながら、スマートフォン(防災アプリ)が防災・減災の観点から、今後どのように寄与できるかを考察していく。