災害情報
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気象情報のサービスプロセスにおける官民の役割に関する研究
大西 正光竹之内 健介本間 基寛金井 昌信
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2019 年 17 巻 2 号 p. 191-200

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抄録

本研究では、気象情報のサービスプロセスにおける官と民の役割について規範的考察を行う。まず、気象情報が生産され利用されるまでのサービスプロセスを経済学及び社会学的枠組みに依拠して構造化を行う。その上で、わが国の気象情報サービスプロセスの類型化を行う。さらに、気象情報サービスのプロセスにおける中間的生産物を官と民のどちらが供給すべきかと言う視点に立って、官と民の役割分担を規範的に考察する。本研究の主要な結論として、1) 官、すなわち気象庁が提供する情報は、コモディティ化された情報とならざるを得ない。官が提供する防災気象情報は、低コンテクスト情報であり、情報の受け手の意思決定に結びつきにくい。2) 高コンテクスト情報は、民間による市場ベースでの供給が可能であることを指摘している。また、そのための条件として、情報提供者である専門家にコミュニケーション能力が備わっていること、情報の潜在的利用者自身が、自らが潜在的に災害リスクに晒されており、かつ平常時から情報提供者である専門家と信頼関係を築いておく価値を認識することを指摘している。

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© 2019 日本災害情報学会
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