本研究では、複数機関における「防災」(防災について発信されている情報の内容)の異同、及び、異同の前提になっている「防災」に関する各機関の考え方について調査することで、異同が生じる要因を分析するとともに、インタビューを通じて異同によって生じる影響を分析し、改善の方向性について整理することを目的とする。様々な場面でコミュニケーションの用語として使用されている「防災」の中身は主に「①理念やコンセプトとしての防災」と「②より具体的な施策や行動としての防災」の 2 つが含まれると整理している。国・都道府県・市町村等の行政機関を「防災」の「作成者」、一般の住民を「防災」の「受信者」、作成者から提供された情報も踏まえつつ、受信者へ「防災」を伝える役割を担っている事業者や個人等を「送信者」と位置付け、今回は「作成者」と「送信者」にインタビューを実施することで、各機関の「防災」の前提となっている考え方の把握と、「防災」の異同がもたらしている影響について分析した。その結果、各機関の「使命・理念」、「施策の取組」、「普及啓発・情報発信」、の 3 つの観点における違いにより「防災」の異同が生じ、「作成者」、「送信者」、「受信者」ともに影響が生じていることが見いだされ、これらに対する改善検討の方向性を整理した。