2007 年 5 巻 p. 40-45
一般の人々に対して、どのようなメディアで、どのような内容を伝達すれば、緊急地震速報は有効に生かされるのだろうか。この課題のためにわれわれは、2種類の実験をおこなった。第一の「メディア利用実験」では、東京在住の一般人に対して、テレビ、携帯ワンゼク、インターネットPC、テレビ電話の各メディアで緊急地震速報を伝達し、その有効性を評価してもらった。その結果、震度、到達時間、行動指示があるテレビ電話の人気が最も高く、逆にテレビやワンゼクのテロップ映像は最も不評であった。またメディアの有効性は、人々の生活スタイルに左右されることが示唆された。第二の「映像視聴実験」では、緊急地震速報を伝えるさまざまな映像パタンを製作し、大学生にプロジェクターで放映し、評価してもらった。実験の結果、評価がもっとも高かったのは、地図に同心円が広がるパタンであった。震度や到達予想時間が実感できて、わかりやすいというのである。しかし映像を見てどう行動すると思うかを聞いたところ、行動指示をピクトグラムで示したパタンが、机にもぐるなどの適切な行動を最も促進していた。緊急地震速報は、その伝え方しだいで、有効性がかなり異なることがわかった。