災害情報
Online ISSN : 2433-7382
Print ISSN : 1348-3609
[論文]
緊急地震速報の伝達と受容の実効性に関する研究
~運用開始から1年を検証~
桶田 敦
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2011 年 9 巻 p. 33-45

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抄録

2007年10月1日、緊急地震速報の一般への提供が始まった。気象庁によれば「迅速・確実な伝達や適切な利活用が図られれば,大きな減災効果を発揮することが期待される(「緊急地震速報の本運用に係る検討会」最終報告)防災情報である。筆者の属する民間放送でも、10月1日から速報態勢を整えた。一般への提供開始以降、2008年9月30日までの1年間に8回の速報が発表され、それぞれの地域の放送メディアが対応した。

「防災情報」は、発表側、伝達側、受け手側が情報を共有し、その情報の意味を理解して初めて効果的に作用するとされている。本速報がどのように受け手側に伝わり、どんな回避行動をとったかを知ることで、緊急地震速報が、発表側、伝達側の意図した通りの「減災効果」がもたらされたのかどうかを検証した。

本研究では、まず、緊急地震速報がテレビメディアによってどのように視聴者に伝達されたかを調査し、その上で、発表対象地域の住民にどのように伝わり、住民はどのような行動をとったのかを、主に電話調査アンケートを用いて統計分析した。その結果、運用開始から1年経った時点において、緊急地震速報は、「行動指示情報」としてではなく、むしろ「地震発生情報」として住民に有効に受容されていることが明らかとなった。

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© 2011 日本災害情報学会
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