抄録
本研究は、発育に伴う身体バランスの変化を、身長に対する下肢長の年間相対発育係数からもとめ、その係数と年間の負傷部位との関係を視認的に検討することを目的としている。身長および下肢長のデータは文部科学省の学校保健統計調査を参照した。なお下肢長については身長−座高とした。負傷部位のデータは独立行政法人日本スポーツ振興センターからの基本統計から整理した。
その結果、下肢の発育が著しいと思われる時期が男子10歳、女子9歳にみられ、上肢の負傷割合の変化がこれと類似していることが認められた。座高の発育記録は学校安全、学校体育館に活用できることを示唆している。