抄録
IVR(Interventional Radiology)センターに所属する新人看護師5名を対象に、脳血管系に特化した新人看護師教育プログラムを実施した。このプログラムは、講義、シミュレーション演習(2回)、事例を用いたタスクトレーニング(2回)で構成した。評価表を用いた看護技術評価と、デブリーフィング・面接の中での対象者の語りを分析対象のデータとした。その結果、対象者の語りから、1回目では【自分自身の観察の認識が甘いことを知る】、4回目では【具体的な予測ができるとスムーズに動けるようになることを学ぶ】などのカテゴリーが抽出され、実施を重ねることが対象者の自信につながり、講義や演習によって知識と行為が結びついた様子が明らかになった。プログラムを受講した1年後に、同様の技術評価と面接による追跡調査を行った。面接結果より、【状況を確認し声に出して伝えることができるようになった】【繰り返しのトレーニングが学びにつながった】などのカテゴリーが抽出され、プログラムを受けた気づきやその有効性が明らかになった。看護技術評価の得点では、総合得点について有意な主効果が認められ(F(2,6)=21.38, p <.01)、下位検定の結果、1回目と1年後、および4回目と1年後に有意差が認められた。これらの結果から、プログラムが対象者の学習体験へ効果があったことが示唆された。