抄録
木のニオイが覚醒水準に及ぼす影響を脳波によって考察した。
ニオイのない場合とヒノキのニオイを嗅いだ場合で比較した。
12名の被験者にボタン押しの操作をさせ,両場合についてそのときのCNVを測定し加算平均した。
並行してCNVの操作の後の脳波を測定し,脳波の周波数分析を行った。
その結果, ヒノキのニオイをかいだ場合は
1 )CNVの振幅に減少がみられた。
2)脳波の周波数分析の結果, α波の増加がみられた。
以上よりヒノキの木のニオイには,人間の脳の覚醒水準を低下させ,鎮静的にはたらく効果があることがわかった。