2000 年 10 巻 p. 9-16
本研究は,現代韓国における食事用家具の使われ方の実態を,使われ方に及ぼす影響要因と関わらせながら考察することを目的としたものである。韓国の3つの地域を対象に, I.自宅で夕食をとる際の食事の場所及び,使われる家具, 2.使用時の快適性に関する主観的評価, 3.目的と条件の違いによる使われ方, という3つの項目について調査した。その結果,食事の場所としては,ブォクが従来のバンにとって代ってより比重を高めていることがわかった。また, その際使われる家具としては,伝統的な床坐式食卓であるパプサンと欧米式食卓とがほぼ同程度に使われているが,異なる場面, 目的,同席する人との関係などによって,その使用度合は変化し, ことに,飲酒の場面,あるいは貴重な人と一緒の食事の場面においては,パプサンが依然として高い頻度で用いられていた。