抄録
本研究は,伝統的な床坐と欧米の生活様式の影響を受けた椅子坐とが併存している現代韓国の居住空間における食事時の坐法とその採用要因を明らかにすることを目的としている。ソウル地域の高校生及びその父母世代の男女を対象としてアンケート調査を行った結果,食事をとる際の姿勢は,平坐位と椅子坐位とを問わず,それぞれについて多様であり,当該姿勢の採用には,食事の目的ごとに,同席する人と本人との性別や年齢上の関係が強い影響を与えていること, また,椅子の上においても,正椅子坐のみならず,平坐位を反映した多様な姿勢がとられていることが明らかになった。これらから,伝統的な坐法と舶来文化としての椅子坐とが併存している韓国の椅子デザインにおいては,従来の欧米の様式によらない新たな展開が必要だと考えられる。