2007 年 17 巻 p. 21-26
現代の建築物は,さまざまな問題を抱えている。それらは,建築材料に起因する「シックハウス」や,エネルギー消費がもたらす「地球温暖化」および,建設廃棄物による「環境破壊」などである。このような状況において,現代に生きる我々は「健康住宅」・「省エネルギー」・「サステイナブル建築物」を実現するための方法を見つけなくてはならない。 そこで,本論文では古くから調湿性・断熱性・難燃性があるとしてわが国で高い評価を得ている「桐」の特性を活かした壁体の提案を行う。その実現のため,枠組材を開発し,断熱性や断湿性についての効果を調べるとともに,反射による包囲音の音質改善効果についても調べた。