日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
照度・色温度と観察距離の違いによる内装仕上げ材の見え方と印象の変化
白石 光昭
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2010 年 20 巻 p. 7-14

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抄録
本研究では,内装材に使用されている仕上げ材料を対象に,①観察距離が変化するにつれ変わっていく材料表面の見え方を識別する距離が照度・色温度で変化するのか,②色温度と観察距離の違いによって,材料の印象は変化するのか,の二項目について実験を行い,両者の関係を探る。観察距離については,照度が低い場合に識別できる距離が近くなると想定されたが,今回の実験ではレンガの目地,タイルの目地,タイル表面の歪み,御影石のピンク色,大理石の光沢の5条件のみであった。色温度による識別距離の差はあまり見られなかった。印象評価については,色温度が低い場合に「陽気な,親しみやすい」の評価が高くなる傾向があった。また,色温度が高い場合で遠くから試料を見る場合,いくつかの試料で「親しみやすい,暖かい,美しい」との印象が低い傾向がみられた。以上から,素材により傾向は異なるが,観察距離と照度や色温度の照明の要因は,いくつかの条件において見え方と印象評価に影響を及ぼしていることが明らかになった。
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© 2010 日本インテリア学会
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