日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
「礼儀作法」の範疇,「挨拶」の成立場面,「お辞儀」の型に関する考察(その1)
日本における空間・行動様式の文化的枠組みからみたインテリア計画への視座
沢田 知子渡辺 秀俊全 美姫
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 21 巻 p. 41-48

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抄録

本研究は,人間にとって豊かな構築環境を計画するために重要な行動規範としての「礼儀作法」に焦点をあて,それを成り立たせる「空間・行動様式の文化的枠組み」について再考する分析を通して,インテリア計画の新たな知見を蓄積し,その視座の拡大を図ることを目的とした。第1に「礼儀作法」の範疇を文献資料(小学校作法書)に基づいて分析したところ重要な言語として「起居進退」があること,第2に「挨拶」の成立場面を映画資料(『東京物語』『晩春』)に基づいて分析したところ「空間の結界・上下」の関わりで挨拶場面が成立すること,第3に「お辞儀の型」を茶道ビデオ資料(『正午の茶事』)に基づいて分析したところ「真・行・草」の型に象徴的意味があることがわかった。行動規範を成り立たせる空間様式と行動様式の関係性の継承や創出が重要と言える。

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© 2011 日本インテリア学会
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