抄録
本研究は,人間の様々な生活場面の中で自己の目的行為を完遂するために,自然な動作によって対象者の身体周囲に意識的あるいは無意識的に構成される非接触の空間領域,いわゆる身体動作に必要な「空き(アキ)」の寸法(以下,アキ寸法という)に着目して,その具体的な計測から寸法的特性を明らかにして,その計測値の体系化を図ることを目的に,建築人間工学的な観点から検討するものである。
これまで本研究では,建築人間工学的な立場から生活姿勢を体系的に分類し,ヒトとモノの関係を表す身体の静的・動的な計測項目についてデータを集成してきた。
本論文は,これまで多様な生活場面におけるアキ寸法を計測してきた経緯を踏まえて,身体周囲に構成されるアキ寸法に関連する国内外の研究動向や,その意義や特色などについて考察するものである。