抄録
本論文は,知的・発達障がい児を対象に,外出先の地域施設や施設までの屋外移動ルートなどの外出環境についての実態を整理したうえで,外部の環境刺激による外出への阻害要因および外出を可能にしている要因を明らかにし,屋外環境への建築的対応での知見を提供することを目的とする。そこで,彼らの保護者を対象にアンケート調査とヒアリング調査を実施し,具体的事例の収集に基づいて課題を整理した。その結果,1)障がい児が利用できる地域資源には限界があり,彼ら単独での利用は難しいことから交流の幅も狭められ,地域での居場所が限られていること,2)家族の支えによって彼らの外出が成り立っている部分が多く,家族の負担が大きいこと,がわかった。