2020 年 30 巻 p. 25-29
病院の外来診察室では,外来患者への診療や治療が行われるが,不安や緊張感からストレスを感じることも多いことが伺える。本研究では,病院の診察室に求められる色環境について現状と,壁面色を操作した診察室に対する患者の印象,およびその刺激遮蔽能力による異同を調査し,その状況を解明した。分析から,現行の診察室に多い白色は清潔感と広さの印象評価おいては有彩色と比較して高いが,安心感やリラックス,話しやすいといった緊張感の緩和に関する印象は低い傾向にあったことを把握した。その他一連の結果から,患者にとって望ましい病院の診察室の色環境をデザインする際の指針として検討が必要な方策を考察した。