抄録
本研究の目的は,現在のユニット型特別養護老人ホームにおける共同生活室(DK まわり)の利用実態について明らかにすると共に,2015年介護保険法改正による影響を考察することである。調査方法はタイムスタディおよびヒアリングによる。タイムスタディでは,介護度別に入居者の行為を5分毎に観察し,共同生活室への滞在率と利用実態を明らかとすることを目的とした。ヒアリングでは,ユニットリーダーを対象に,入居者のコミュニティの形成と介護保険法改正前後における施設と入居者の変化について明らかとすることを目的とした。その結果,自己決定によって,自発的な行為からコミュニティを形成する入居者がいることが分かった。一方で,介護保険法改正により車いす利用者が,新規の入居者の9割に増加したことで,しつらえの利用が困難な状態となり,以前ではしつらえを中心に展開されていたコミュニティが減少していることが分かった。